098回
・出題意図
合格率3.1%と非常に低い回。商業簿記が最初の修正仕訳を間違えたら大きく落としてしまうことも関連しているだろうが、やはり工業簿記と原価計算の計算量が非常に膨大だったのが要因か。
商業簿記
【A】合併会計によるB/S作成
子会社化による連結ではなくて、吸収合併によるB/S作成というのがまず珍しい。内部取引の相殺と伴う貸倒引当金の減額というのは通常の連結手続から類推できるし、どこまで配点があるか知らないが、B/Sの多くは単純な評価替えである。ただし、本問はB社の純資産の増額を正確にできるかどうかがまず壁。純資産に計上ではなくて、出題者の配慮か知らないが、収益的還元価値の計算方法が分かれば、小数点3位以下切り捨てで合併比率そのものは正解できるように思う。そこから、のれんは正解できるはず。
■会計学
①理論 【標準】 穴埋め記述。1と3以外は簿記の勉強で目を通す部分。
①引当金 【標準】 引当金のP/L記入。合トレレベル。
②有形固定資産 【標準】 リース。問われている内容は基礎的だが、B/S記入がやや難しい。
③連結 【やや易】 時価による修正と連結B/Sの作成。極めて基礎的。
■工業簿記
【S】 部門別原価計算
実際発生額の配賦をテーマとしたものだが、確認されている過去問の中で恐らく一番難易度が高いと目される。難易度が高いというのは、思考力や応用知識を問うというわけではなく、計算量が多すぎて、目標で45分とされる制限時間内で初見で解答するのは無理だろうというのがある。加えて、部分点が非常に取りにくく、制限時間内に8通りのパターンを全て計算しないと、どれが1番少ないか、どれが2番目に多いかというのは判断ができない。スペースを取る複数基準法も4通りあるのに、計算用紙がたった1枚であるのは酷。相当計算慣れしていない限り、一部の穴埋めのみ正解して、あとは勘で埋めるしかない(数値も合ってないと点が貰えないだろうとは予想されるが)。
■原価計算
【やや易】 取替投資のキャッシュフロー。法人税考慮するかで無駄に計算量が多くなっているが、指示に従ってミスなく解けば25点取れる問題。
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